INAP(国際友好提携港)2011コロンボ会議 その1

(この記事は9月1日写真を入れて加筆しました。)
8月21日(日)14時30分 スリランカコロンボで開催されるINAP(国際友好提携港)2011コロンボ会議に参加するため、溝淵県議と経済ミッションに参加する12名の民間企業の経営者等、ジェトロ高知貿易情報センターの田代所長、そして高知県港湾課の職員が高知空港に集合、15時20分発の飛行機で大阪・伊丹空港に向けて出発した。
関西空港近くのホテルに移動し、ここで今夜は懇親会、各自自己紹介をして懇親を深めた。
民間の経済ミッションは4回目で、高知丸高の高野社長さんは毎回参加しているという。
今回は特にアジアの某国で大きな仕事を予定しており、高知県シンガポール事務所の段田所長にお世話になるとのことであった。
明日の午前中発のシンガポール行きの飛行機に乗るための前泊である。これが高知県の不便さである。
この他に武石県議、大石県議など7名の県議会議員が一日早く出発し、インドのバンガロール(コンピュータソフトの会社が集中していることで有名な所である)を視察している。
22日(月)午前11時、関西空港発のシンガポール航空の飛行機で出発、約6時間20分の飛行時間でシンガポールへ到着した。時差はマイナス1時間なので現地時間は午後4時20分であった。
ここで、羽田空港から来た尾崎知事、石井土木部長、児嶋港湾振興課長と職員、高知県シンガポール事務所の段田所長、県職員で4月からシンガポール事務所副所長として赴任している揚田君と合流し、乗り継ぎ用のラウンジで懇談会を開催した。
ここでシンガポール事務所の段田所長と再会、3年前に東南アジア4カ国を議員団で視察した時に大変お世話になった。73歳と言っていたが、本当にエネルギッシュな方だ。久しぶりに二人で記念撮影。

シンガポールを20時30分発予定の飛行機は30分遅れて出発、約4時間の飛行でインド・チェンナイ空港に着いた。
ホテルに着いたのは真夜中であったが、一足先に着いていた武石、大石、加藤、西内健県議が出迎えてくれた。
私はこの視察に参加するまでチェンナイとはどこだろうと思っていたら旧名マドラスであった、マドラスならばインド南東部の古くから有名な港町である。
インドでは近年、イギリス統治時代の地名から昔の地名に戻しており、西海岸の都市旧ボンベイもムンバイになっている。
翌23日午前8時30分、チェンナイのジェトロ事務所を訪問し藤井所長からチェンナイの状況説明を受けた。

ここ数年、日本からの進出企業が急に増えている、その要因は労賃の安いことと、若い労働者が多いことであるが、一方で電気、水道などのインフラ整備が追いつけず、特に電力不足は深刻で、この後訪問したルノー日産も、進出にあたり電力の確保を州政府に確約して上で工場進出を決めたとのことであった。
また、駐在する日本人も住居を探すにあたっては自家発電装置が着いている住宅を探すとのことであった。
また、高速道路の整備が遅れており、高速道路は全くない。タミル・ナドウ州政府も財政が厳しくなかなか整備が進まないとのことであった。
チェンナイの道路はこういう状態である。

また、郊外に出るとこんな店が多い、二十数年前にタイのチェンマイを旅したときに郊外はこんな店が多かったが、もっときれいだった。

また、交差点にも信号がなく、その上、交通ルールを守ろうという意識のない者が運転する車の洪水の中を、道路を横断するインドの人々は勇気があると思った。戦争になると強い民族かもしれん?(冗談です)

午前11時20分、ルノー日産(RENAULT・日産)自動車製造会社を訪問し、木村功社長から説明を受けた。
2008年から工場進出の話を進め、昨年5月23日から操業を開始したとのことである。
工場の全景を撮ろうとしたが、広すぎて一部しか撮れなかった。

工場はタミル・ナドゥ州チェンナイ近郊のオラガダムにある。
ルノー日産で初めてのアライアンス(協力)工場であり、工場の敷地面積は640エーカー(260万平方メートル)、現在はその半分を使って年産20万台体制をとっているが、需要次第で年産40万台の生産は直ぐにでも可能であり、敷地面積を全て使えば年産80万台体制が可能であるとの説明であった。
また、従業員3,476人をはじめ全員で4,500人の体制で、平均年齢は24歳である。
インド国内のサプライヤー(関連下請け会社)は96 社、その内、日本関係の会社が39 社である。
ここら辺り一帯はインドのデトロイトといわており、フォード社、ダイムラー社、ヒュンダイ社、BMW社などの工場があり、バンガロールにはトヨタの工場もある。
生産した車を輸出する港は、チェンナイの近くにはチェンナイ港があるが、ここは韓国のヒュンダイ社が牛耳っているため、ルノー日産は北のエンノール港を使っている。
生産車「マイクラ」(日本名マーチ)をトラックで運んでいるが、距離70キロ、3時間かかるので政府に道路整備をお願いしている。
ここで生産した車は8割がヨーロッパや中近東などに輸出し、残る2割がインド国内で販売している。
近い将来、ヨーロッパなどの需要が増えた時には、ルノー、日産それぞれの車を同じラインで交互に造れる体制を整えているとのことで、工場見学をした際に現場で説明を受けた。
私は自動車工場の生産ラインはテレビ等で見たことはあったが、現場で見たのは初めてであった。
無駄なく合理的に、また、作業員が単純労働にならないように工夫されており、これらはQC(品質管理)活動の成果である。感心した。

14時30分、タミル・ナドゥ州政府を表敬訪問、パンニールセルバム財務大臣、サランギ首席次官が対応してくれた。
主席次官は州政府首相に次ぐナンバー2で官房長官のような役目だという。
州政府庁舎は以外と小さい建物で、中の通路は人でごった返している。
何事かと聞いたら、陳情団であるとのこと。
4月に州議員の選挙が終わったばかりで与党が交代したとのこと、そのせいで陳情が多いのであろう。
財務大臣と主席次官は高知県との間で具体的に何が出来るかとの話があったが、尾崎知事は、今回は表敬訪問なので具体的な話は何もないと答えていた。
18時30分チェンナイ空港発の飛行機でコロンボへ出発、飛行時間1時間25分で19時55分コロンボ空港に着いた。