昨年末、本屋で何冊か買った本に浅田次郎氏の書いた「天国までの百マイル」(朝日新聞出版)があった。(文庫本の初版は2000年11月1日)
元日に寝ぼけながら1〜2ページ読んで、字が小さいし、社会からドロップアウトした主人公の紹介は暗く、読むのをやめていた。
浅田次郎氏は好きな作家で、沢山の本を読んでいつも感動していたが、今回は失敗かと思っていた。
ところが、昨夜一挙に読んで感動した。
文庫本の裏表紙には、解説者の大山勝美氏の次の文章がある。
「バブル崩壊で会社も金も失い、妻子とも別れたろくでなしの中年男。心臓病を患う母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいるという病院をめざし、奇跡を信じて百マイルをひたすら駆ける。親子の切ない情愛、男女の哀しい恋模様を描く、感動の物語。」
これ以外にも、終末期医療とそれに対処する子供達の態度についても考えさせられました。
私は7年前に母を、2年前に父を見送ったが、2人の弟達と終末期医療に関する意見の相違はなかった、幸いであったと思っている。
ただし、私が親孝行であったかどうかについては、いまだに、あの時両親に対してこうしておけばよかった、ああしておけばよかったのにと後悔するばかりです。