アメリカ独立戦争と南北戦争

私は、アメリカの歴史は、1620年、102名の清教徒がメイフラワー号でプリマスへ渡った時から始まったと、勘違いしていたが、改めてアメリカの独立戦争南北戦争について、日本では適当な解説本がない事に気が付いた。

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この本によると、アメリカ大陸は、1492年、イタリア人であるコロンブスが、スペイン女王イザベルの支援を受けて航海に出て発見して以来(日本では室町時代)、ポルトガル、オランダ、スウェーデン、フランス、イギリスなどがアメリカ大陸に進出した。

この中でイギリスが、16世紀後半にヴァージニアを植民地として建設が始まったそうである。

ところが、最初の植民者は全員が行方不明になり、いったん放棄され、1607年に植民地建設が再開されたそうである。

その後、アメリカ独立戦争(英: American War of Independence)が始まり、1776年にアメリカ独立宣言をした。

独立戦争は1775年4月19日から1783年9月3日まで、イギリス本国(グレートブリテン王国)と北アメリカ東部沿岸のイギリス領の13植民地との戦争である。

質実剛健で、かつ抜け目のない人々』のことを指す言葉として『ヤンキー』なる語が生まれた。今ではアメリカ人全般を指すものとなっているが、もともとはこうしたアメリカ北部の人々に対する呼称である。

 ドイツの社会学マックス・ウェーバーは、その古典的、名著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、アメリカ独立戦争で活躍した建国の父の一人、北部、マサチューセッツ出身のベンジャミン・フランクリンについて、『資本主義にとって極めて革新的な思想』を体現した人物だったと評している。

 ウェーバーの主張とは、プロテスタント信者が持つ禁欲的な道徳感情、そしてそれに支えられた、素朴な生活態度こそが、近代資本主義の礎石を形成したというものである。なぜならば、ウェーバーは、資本主義を単なる拝金主義とは一線を画す、近代的合理主義の産物だと喝破していたからである。プロテスタントの禁欲的道徳心は、まさにこの合理主義を下支えしていたのであり、ウェーバーにとってヤンキーは、模範的すぎる近代資本主義の申し子だった。」

「この戦争の米国の戦死または戦病死者数は25,000名、負傷者 25,000名」と書かれてある。

次に起こったのが南北戦争である。

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南北戦争は、1861年4月12日から1865年4月9日にかけて行われた。

この戦争の原因は、南部の奴隷解放戦争であったと小中学校で教わった。

上の「南北戦争」という本によると、確かに

1863年1月1日、合衆国大統領、エイブラハム・リンカーン奴隷解放宣言を布告する。その文面は以下のようなものだった。

 『1863年1月1日に、合衆国に対し謀反の状態にある州、あるいは州の指定地域の内に奴隷として所有されているすべての人々は、その日ただちに、またそれより以後永久に、自由を与えられる。』

 南北戦争は、アメリカの奴隷制の是非をめぐって始まったにもかかわらず、リンカーンは開戦以来、この問題への言及を巧みに避け続けてきた。それが境界州を北部陣営に引き留めるための行動だったことは、すでに書いた通りである。」

リンカーンのこの宣言は、出たら出たで、様々な悶着を引き起こした。…

 つまり、奴隷性を保持しながら北部側に加わったケンタッキー、デラウェアミズーリ、メリーランドなどの境界州にいる黒人奴隷たちは解放の適用外であった。また、それまでに北軍が制圧していたテネシー、さらには北軍の実効支配下にあったバージニアや、ルイジアナの北部地域などにいる黒人奴隷も、開放の対象とはならないといった補助規程が、この宣言には細々とつけられていた。

 南部連合国が支配している地域にいる黒人奴隷を、北部合衆国政府や北軍が物理的に開放できるわけはない。歴史家のサムエル・モリソンが言うように、『現実には、それは1人の奴隷も解放しなかった」のである。」

「当時のアメリカの総人口3100万人のうち、300万人が兵士となり、双方の戦死、戦病死者は60万人」と書かれてある。

南北戦争の戦死、戦病死者の数が多かった事は、朝鮮戦争ベトナム戦争に比較して紹介されるので覚えていた。

この2冊の本は「一冊でわかる アメリカ史」が2019年に、「南北戦争」が2020年に出版されているが、それまで、南北戦争を題材にした「若草物語」や「風と共に去りぬ」などの小説はあっても、アメリカ独立戦争南北戦争が気軽に読める解説書がなかった。

それが、私がアメリカ大陸へヨーロッパ人が入植してから、南北戦争が終わるまでのアメリカの歴史を知らなかった原因でした

これに続いて、いま永井荷風の「あめりか物語」(新潮文庫)を読んでます。

永井荷風明治36年(1903年)24歳の時から、明治40年(1907年)までアメリカへ留学した時の旅行、留学記で、この本は知っていても読んだことがなかった。

なかなか興味深い本です。