国会の混乱

国会は会期末になると、野党が予算案に抵抗して混乱する、毎度のことだ。

今回は自民党のパーティー券の問題で、2月29日に衆議院政治倫理審査会が開かれ、岸田首相や二階派事務総長であった武田良太衆議院議員が出席して質疑、この時、武田議員はパーティー券を千枚売るノルマがあったと発言し、私は驚いた。昨日1日は安倍派幹部であった松野博一議員、西村康稔議員、塩谷立議員、高木毅議員が出席して質疑が行われたので、国会日程は余計混乱した。

自民党の一部議員が派閥のパーティー券のノルマ超過分をキックバックしてもらっていた事が、問題の発端であるので、自民党に一番責任があるのは当然である。

しかし、予算案の衆議院での成立を遅らせるために、野党は小野寺五典予算委員長に対する解任決議案を提出した。そして、直後の本会議で、立憲民主党山井和則国対筆頭副委員長が趣旨弁明で2時間54分に及ぶ演説をした。

それに加えて、本会議の採決でれいわ新撰組の大石あきこ議員が一人で牛歩戦術をとり、投票出来なかったようだ。

これらの行動も私のいた当時の参議院でも何度もあった。

私の在職当時の参議院野党の演説は、女性議員が2時間くらいやったと思う。

また、牛歩戦術はれいわ新撰組山本太郎議員ともう一人の議員が何度かやり、投票箱閉鎖で投票出来なかった事もあった。

彼らは国民に対するアピール、国民受けを狙ってやっているのだが、国民から馬鹿にされているのが分からないようだ。

当時、私は牛歩戦術をとる議員を映すニュース映像を見て「こんな場面を放映すなや」と思ったが、今回はさすがに額賀衆議院議長のみを映し、大石議員は、投票箱が閉鎖してから投票札を持って壇上に立っているのが数秒映っただけだった。それだけは良しとする。

今回は、野党でも国民民主党幹事長の榛葉賀津也議員が、記者会見で、山井議員の演説を批判しているのを見た。

先月東京で藤原正彦先生との懇親会に出席したが、藤原先生は「自民党民主党に政権を明け渡した選挙では、自民党議員のあまりのていたらくに、民主党に投票しました。そしたら、民主党自民党よりもっと程度の低い議員の集まりでした。」と話された。

同じ事を藤原正彦先生の著者「国家の品格」でも書かれている。

野党はこの当時とちっとも進歩していない。

その証拠にマスコミ各社の世論調査では、自民党の支持率も下がっているが、かといって野党の支持率も下がるか横ばいである。

昨夜は、現職の衆議院議員の皆さんから、野党が鈴木財務大臣不信任決議案を提出するので、その際また長い演説をやるようなので、徹夜になりそうだとのメールが届いていた。

さすがに立憲民主党も山井議員の長い演説で、野党からも批判が出た事で弱気になったのか、鈴木財務大臣に対する不信任決議案は、長い演説もなく、夜の11時半頃には散会したそうだ。

今日も休日を返上して、衆議院では予算委員会、本会議と続くようである。

本会議で予算案が可決されれば、参議院に送られ、3月末の予算案成立を目指して参議院予算委員会で審議が行われる。