沖縄の本土復帰40周年


5月15日は昭和47年沖縄が本土に復帰して40年を迎えた日、沖縄では記念式典が開催されたと報道されている。
たまたま本屋で見つけて、昨年末に出版された写真にある恵隆之介氏の「新・沖縄ノート 誰も語れなかった沖縄の真実」を読んだ。
恵さんとは高知の講演会で二度お目にかかって話をしたことがある。防衛大学校卒、海上自衛隊に進むが4年で辞め、琉球銀行に勤めていたが政治運動をとがめられて退職したと書いてある。
恵氏は保守の立場から忌憚のない信念に基づいた発言をされる方である。
この本は、沖縄が1609年薩摩藩に支配されるまでの時代にいかに中国の影響を受けていたかに始まり、薩摩藩に支配された時代、そして中心となるのは明治維新からの沖縄の歴史を書いてある。
明治維新当時から昭和20年の敗戦まで、沖縄諸島がいかに貧しい地域であったか、それは島民の島外への移住者の多さが証明している。日本本土をはじめ東南アジア中南米、米国など移住者が実に多い。
また、明治政府は小学校をはじめ教育施設を作ったが教育の大切さが沖縄の人達に伝わらず、教育が行き渡らなかったために教育水準が大変低かったそうだ。
そして、沖縄諸島マラリアが多く、毎年たくさんの病死者を出していたことは知っていたが、それ以外にもハンセン病も多かったと書かれている。
それらの病気は戦後米国の統治下で撲滅されたそうだ。
この戦後の米国統治下において、基地の無謀な拡張もあったが、多くは、基地建設工事、基地の地代収入、軍需物資の商売、基地への就労などで、いかに県民所得が上がったかが書かれている。
最後には、現在の沖縄は中国人の進出がすごくて、沖縄が中国に侵略される恐れを真剣に心配している。その話は昨年沖縄に行った時に私も聞いた。
私は10回以上沖縄に行き、沖縄の人達と交流を続けているが、日本の昨今のマスコミ報道とは全く違う意見を聞く、この本にはそれらが書かれている。
沖縄の違う側面が見えてくる、一読をお勧めする。